相続は多額の金銭や大きな財産が突然に手に入る機会となるため、相続人それぞれの意見が対立し、トラブルに発展することも少なくありません。特に遺言書が残されていない相続の場合は相続人全員で遺産の分割について話し合う必要があるため、揉めてしまう可能性も高いといえます。ご自身の相続の際にトラブル回避できるよう、想定される事例を確認しておきましょう。
特定の相続人が相続財産の情報を隠蔽している
被相続人の生前に同居していて、被相続人の現金や預貯金口座の管理を任されていた相続人が、相続する権利は自分だけにあると主張し、その他の相続人に財産を開示しないというケースがあります。このようなケースでは、その相続人が被相続人の預貯金を自分のものと混同し、遺産分割協議の前に財産を勝手に使い込んでいることも考えられます。
財産調査をせず、全容を把握しないまま遺産分割する
財産調査をきちんと行わず、「財産はこの程度だろう」と思い込んで遺産分割協議を行うと、後になって被相続人ですら忘れていた財産が見つかることがあります。このような場合は後から見つかった財産についても遺産分割協議を行う必要があるため、手間がかかってしまいます。また、故意に財産を隠蔽している相続人がいた場合、財産調査を行わなければ隠蔽された財産は分からないままになってしまう恐れもあります。
このようなトラブルに合わないよう、遺産分割協議を行う前にきちんと財産を調査し、相続財産の全容を相続人全員が把握しておきましょう。ご自身で財産調査を行うのが難しいと感じる方は、専門家にご相談ください。