遺言書のある相続の場合は、遺言書の内容から判断して“相続登記”と“遺贈登記”のどちらにより不動産を取得するのか決定します。
【相続登記】
相続により発生した、被相続人が所有していた建物や土地等の不動産の名義変更手続きのことを相続登記といいます。
【遺贈登記】
遺贈により発生する所有権移転登記のことを遺贈登記といいます。
具体的には、法定相続人以外の人物が遺贈により、建物や土地などの不動産を受け継ぎ、行う所有権移転登記のことを指します。
〇遺言書にて相続登記に関する記載がある場合、記載されている相続人だけで不動産の名義変更手続きを行わなければなりません。
〇遺言書にて遺贈登記に関する記載がある場合、相続人単独で手続きを行うことはできませんので、不動産を取得する人(遺贈者)と相続人全員もしくは遺言執行者が行います。
〇相続する不動産の名義変更手続きは、必ず相続人全員が登記を行うことを承諾しなければなりません。
〇遺言の内容を実現するためには、遺言執行者が必要です。この遺言執行者が遺言書の中で指定されていない場合、家庭裁判所が選任することで遺贈により不動産を取得する人と遺言執行者の共同で登記申請を行うことができます。
いずれにせよ、どちらの手続きも遺言書の内容によって不動産の名義変更手続きに必要な書類や手続きは異なるため、きちんと遺言書の内容を確認する必要があります。相続手続きにおいて迷われた場合には、早急に相続の専門家にご相談されることをお勧めします。