遺産分割協議は相続人全員が参加したうえで合意を得る必要があります。しかしながら遺産分割協議は法律行為のため、認知症を患っていてご自身で物事を判断することが困難な方は参加することはできません。
このように判断力が著しく低下している方が相続人に含まれる場合は、遺産分割協議を進めるために成年後見制度を利用するとよいでしょう。
成年後見制度とは
認知症や精神病などの理由で判断能力が著しく低下した方が不利益を被ることのないよう、保護や支援を目的として開始された制度を成年後見制度といいます。
成年後見制度の流れ
(1)家庭裁判所へ申立て
必要書類を揃え、成年後見人を必要としている方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
(2)成年後見人の選任
家庭裁判所が申立人や本人から事情を伺い、場合によっては本人の判断能力について鑑定を行ったうえで、最適と思われる人物を成年後見人として選任します。事情に応じて司法書士などの専門家が選任されることもあります。
(3) 成年後見人が遺産分割協議に参加
選任された成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書に署名・押印します。
成年後見制度は遺産分割協議が完了した後の日常生活においても継続され、成年後見人が本人に代わって必要な契約の締結や、財産管理を行うこととなります。本人にとって本当に成年後見制度が必要かどうか、慎重に検討したうえで申立てを行うようにしましょう。また家庭裁判所への申立てから選任されるまでは数か月かかるため、ゆとりをもって申請することをおすすめいたします。
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