借金の相続時の債務整理と過払い金
相続財産には、預貯金や不動産などといった「プラスの財産」だけでなく、借金や住宅ローン、保証債務などの「マイナスの財産」も含まれます。マイナスの財産がプラスの財産よりも明らかに多いという場合には弁済回避のため相続放棄を選択する方法もあります。
ただし、相続放棄は「相続する権利を放棄する」ことを意味し、プラスの財産も同時に放棄することになります。財産内容によっては相続放棄をしないでマイナスの財産を減らしたいとお考えになる場合もあるかと思います。このような場合、債務整理や過払い金についてしっかりと調査を行うことで返済金が抑えられることもあるため、相続放棄を検討する前にまずはマイナス財産を含んだ財産調査をしっかりと行いましょう。
クレジット会社や金融会社などからの借り入れの場合、基本的には契約時に貸付利率というものが設定されており、この貸付利率が利息制限法の上限利率を超えている場合は必要以上の利息を支払っている可能性があります。
≪利息制限法の上限利率≫
金額 | 利率 |
元本額10万円未満 | 年20% |
元本額10万円以上100万円未満 | 年18% |
元本額100万円以上 | 年15% |
「過払い金」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、この「過払い金」は、利息制限法の上限利率を超えて支払ったお金のことをいいます。法律が改正される2010年6月17日以前に借り入れをした方はこの過払い金が発生している可能性が高いため、お心当たりのある方は専門家にご相談されることをお勧めします。
過払い金請求をすることで借金の弁済のみならず、お金がお手元に戻ってくる事例もあります。しかしながら、ご自身で債務整理や過払い金について調査を行うことは難しいため、被相続人に借金の疑いがある場合には早急に相続の専門家にご相談ください。